免疫力を効かなくするHIV

免疫システムをダウンさせるHIV

HIVはHuman Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウィルス)の頭文字です。1981年に初めてその存在が明らかにされました。増殖するとき、自分の遺伝子(RNA)を人間の遺伝子の型に変異させて(逆転写という)リンパ球(T細胞)の細胞核に入り込むという特徴があります。

エイズというのは、HIVの感染によって免疫不全に陥り、感染症などのさまざまな合併症を引き起こした状態をいいます。HIVに感染してもすぐに発症することはなく、10年から20年病状が進行しない場合もあります。

エイズ(AIDS/後天性免疫不全症候群)を引き起こすHIVは、数あるウイルスのなかでもハイレベルの戦略をとる、かなりずる賢いウイルスです。

HIVに感染し、エイズを発症すると体の免疫システムがダウンします。すると、さまざまな感染症を引き起こし、最終的には命を落とすことになります。免疫システムを破壊するという点がこの病気の最大の特徴であり、脅威なのです。

HIVはヒトの体に感染すると、リンパ球のヘルパーT細胞をターゲットにします。ヘルパーT細胞はもともと戦闘能力は高くなく、キラーT細胞やB細胞に攻撃命令を出すことで免疫システムを維持しています。そこで、HIVはヘルパーT細胞のなかに遺伝子レベルで侵入し、その働きを封じ込めます。

HIVに侵されたヘルパーT細胞が免疫反応を起こそうとすればするほど、HIVの増殖を助ける結果となります。ここがHIVのずる賢いところで、ヒトの遺伝子を利用して自分が増殖するのです。

さらに、ヘルパーT細胞が指令を出せないため、攻撃担当のキラーT細胞とB細胞が働かず、対抗することができません。こうして免疫システムをダウンさせるのです。

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