免疫力が効きにくいインフルエンザ

変身するインフルエンザ・ウイルス

毎年冬になると、流行するのがインフルエンザです。その原因となるインフルエンザ・ウイルスは、じつにすぐれた戦略で生きのこる賢いウイルスなのです。

大半の人にとってインフルエンザは、発熱や関節痛、せき、鼻水などの症状でつらい目にあわせられるものの、はかの致死率の高い感染症に比べると、極端におそれる病気ではありません。

しかし、それが戦略なのです。相手を殺せば自分も死ぬことになります。ウイルスが生きのこるにはあまり利口な選択ではありません。インフルエンザ・ウイルスは、相手を死なせないように自らを制限し、無限に生きのこり増殖する道を選んだのです。

ご承知のようにA型やB型というタイプがあり、それに対応するワクチンもありますが、ウイルスは毎年少しずつ遺伝子を組み換えて、ワクチンの効果をすり抜ける芸当もやっています。

しかし、人間だって負けてはいません。人類が進化する長い歴史のなかで、さまざまなウイルスの遺伝子をとりこみ、病気に負けない体をつくってきました。その証拠に、ヒトの遺伝子にはウイルスの残骸のようなものが見つかっています。

2003年に新たに発見されたSARSウイルスは、重症急性呼吸器症候群を引き起こし、抵抗力が低下している人では死亡率50%を超えるというひじょうに怖いウイルスです。コロナウイルスの新型と見られ、野生動物から家畜を経由し、人間に感染したと考えられています。遺伝子を組み換え、変異しながら、ついに人間に到達したのです。

インフルエンザ・ウイルスは、ときに大変異を起こして凶暴化します。大量のニワトリを処分することになった鳥インフルエンザも、トリからヒトへ感染し、死に至らせました。動物からヒトへ、変異したウイルスに最初に出あったときが、もっとも危険なのです。

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