古い免疫力と新しい免疫力

年をとっても免疫力は衰えない

免疫の研究が進むにつれて、私たちの体には新旧二つのシステムが備わっていることが明らかになりました。

古いシステムは皮膚や腸管にあり、細胞の異変を監視します。皮膚は外界と接触する部位であり、腸管は食べ物という異物が通過する場所です。異物がもっとも侵入しやすい部分をガードしています。一方、進化にともなって備わったのが胸腺や牌臓、リンパ節などにある新しいシステムです。ウイルスなどの外来抗原に対抗します。

新しいシステムの免疫力は、胸腺の衰えによって低下しますが、古いシステムは衰えることはなく、新しいシステムを補う働きをしています。

新旧2つのシステムが免疫力を維持

古い免疫力

古い免疫力は皮膚や消化管といった異物とひんばんに接触したり、侵入しやすい部位にある。NK細胞や胸腺外分化T細胞が体内の異常を監視している。

新しい免疫力

新しい免疫力はリンパ節や胸腺、脾臓などにある。進化にともなって血管などに入り込む新しいウィルスなどの外来抗原に対応するためにできた免疫システム。

心臓の上にある胸腺は、20歳を過ぎると徐々に小さくなり、組織が脂肪に置き換えられる。それにともなってつくられるT細胞の数が減少してくると、胸腺外分化T細胞が増えて免疫力低下を防ぐ。

胸腺はえらが進化したもの

胸腺は、生物がえら呼吸をしていたときのえらが、上陸して肺呼吸になった際に胸腺に進化したものです。えらであったころには、抗原をとらえる免疫組織としての役割を果たしていたと考えられますが、進化の過程で役割を分化し、外来抗原が内部に侵入しないシステムをつくりました。

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